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2022年1月 8日 (土)

北鎌独標にて

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【北鎌独標にて/北鎌尾根単独登攀】  画像クリック拡大

 伊那市に住むN君から届いた年賀状に一文が添えられていた。 「写真を整理していたら “槍ケ岳山荘” のタグが出てきたのでメモ帳にはさんでなつかしく見ています。もう55年になりますネ」とあった。 N君は同期入社で寮住まいの同じ釜の飯を食べた仲間で、よく山行を共にした。

 それは1967年(昭和4210月、天上沢から槍ケ岳と北穂高岳を三泊四日で縦走した山行で、ルートは七倉→湯俣→千天出合→天上沢→水俣乗越(東鎌尾根)→槍ケ岳→大キレっト→北穂高岳→涸沢であった。
  二日目に降雪があった。標高3000mの夕刻、金色に縁どられた雲間から放たれた光りが雪の山岳を照らし、やがて銀赤色に輝く壮麗なアーベンロートとなった。それは神々の領域の光景のようでもあり、危険な氷雪の大キレット越えとともに、N君の中に確かな記憶として残っているに違いなかった。

  湯俣→千天出合→天上沢→水俣乗越のルートは、元々一般登山者が立ち入るルートではなかったが、長い歳月の中でやがて廃道となり、今は国土地理院の地図からも消えている。
  天上沢からバリエーションルートである、槍ケ岳の北鎌尾根を単独登攀(写真)したのは翌年の秋であった。

(槍ケ岳北鎌尾根 October 1968 フォトファイルより

こちらのブログ記事もご覧ください北鎌尾根

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