銀河鉄道の夜
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すると、どこかで、ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと云ふ声がしたと思ふと、かくして置いた金剛石を、誰かがいきなりひっくりかへして、ばら撒いたといふ風に、眼の前がさあっと明るくなって、ジョパンニは、思はず何べんも眼を擦ってしまひました。
気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョパンニの乗ってゐる小さな列車が走りつづけてゐたのでした。 ほんたうにジョパンニは、夜の軽便鉄道の小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座ってゐたのです。
宮沢賢治著 『銀河鉄道の夜』より
(Photo : 6 March 2017 プレアデス星団)
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