宮沢賢治著 『風の又三郎』 より (Equus caballus)
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「兄な、馬あ逃げる、馬あ逃げる。兄な、馬あ逃げる。」 と、うしろで一郎が一生けん命叫んでいます。三郎と嘉助は一生けん命馬を追いました。
ところが馬は今度こそほんとうに逃げるつもりらしかったのです。まるで丈ぐらいある草をわけて高みになったり低くなったり、どこまでも走りました。
嘉助はもう足がしびれてしまって、どこをどう走っているのかわからなくなりました。それから周りが真っ蒼になって、ぐるぐる回り、とうとう深い草の中に倒れてしまいました。 馬のたてがみと、後を追って行く三郎の白いシャッポが終りにちらっと見えました。
(フォトスケッチ : 9 May 2013 長野県小諸市 浅間山麓 南ケ原にて)
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