春雪
【春雪】
雪降る千曲の峡谷を下りていった。
ネコヤナギはまだ固く、谷の深くでかすかに瀬音がきこえていた。
(28 February 2010 長野県小諸市 小諸大橋)
【農業用水路】
番小屋のある水門から村まで三十町。 浅間山を水源に江戸時代に開削されたこの農業用水路によって開拓された台地の稲田は約百五十町歩という。
代々、村のいのちを支えてきた用水は、今も村人によって大切に守られている。 空の色を映し滔々の流れる水 ―― 二年間延べ六十六日、用水路の巡視当番が昨日終了した。
(フォトスケッチ : 26 February 2010 長野県小諸市 平原水門にて)
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【浅間山を望む高台で】
浅間山は、黒班火山、仏岩火山そして現在に至る前掛山火山から成る三重式成層火山であるという。 徐々に高度を上げる樹林帯、V字形に浸食された谷には、黒班火山の大崩壊で残った牙山(ぎっぱ)の岩頭が黒々と連なっている。
浅間嶺の空の蒼さ、淡雪の白さ。 眼を転ずれば、はるか小諸の街そして人々の営為。 島崎藤村は、「高原の雲の観察記録」 の中で小諸の風光を次のように記しています。
・春より秋へかけて雨すくなきこと一つなり
・海面を抜くこと三千尺 殆ど筑波の嶺と同じ高さなること一つなり
・東北の間は浅間一帯の山腹に倚ること一つなり
・空気の清澄なること一つなり
・高原の上にして天の広潤なること一つなり
(Photo. : February 2010 長野県小諸市 小諸高原美術館にて)
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【古今雛の通り】
日差しが温かな通りは、ご婦人の姿が多く華やいだ空気が流れている。 「 北国街道小諸宿 お人形さんめぐり 」 のポスターがでている。
古今雛を飾る旧い商家の店先 ―― 今年もまたひな祭りの季節がめぐってきた。
(25 Feburuary 2010 長野県小諸市 本町にて)
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【教会のある風景・南軽井沢】
高原にひびく鐘の音。広葉樹の森の簡素な教会。
(フォトスケッチ : February 2010 長野県北佐久郡 軽井沢町)
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【天文台のある風景】
浅間山麓 ・ 高原の科学ロマン―― 素敵な名前をつけてあげたいような小さな
天文台があります。
(フォトスケッチ : February 2010 長野県北佐久郡 軽井沢町)
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【続・山のカモメ (Larus canus)】
あの蒼の大海原を離れ、こんな処まで飛んできてしまった山のカモメよ。
(21 February 2010 長野県佐久市 東京電力小諸発電所第一調整池)
「?…… 」
パソコン机の上に変なものが ……?!
わが家の掃除魔の置き忘れ、 ” カエルのハンドモップ ” あるよ。
(21 February 2010 長野県小諸市 自宅)
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この時季の窓外の常連客といえば、エナガ、シジュウカラ、メジロ、ハクセキレイ、
ホホジロ、スズメ、ムクドリ、モズ、ツグミ、ヒヨドリ、キジバト、キジの面々です。
そういえば、いつも顔を出していたジョウビタキがとんと姿を見せなくなりました。
春近し、北の国へ旅立ったのでしょう ―― 窓外の日差しがひと際明るく感じる
この頃です。
(20 February 2010 長野県小諸市 自宅にて)
【くるみ特産地から】 おいしいものを美味しく撮る
東信州はカシクルミの特産地です。
クルミが香ばしい手作りケーキ。 ブラウニーというのだそうです。
(14 February 2010)
【コナラ林 Quercus serrata】
「ギ― ……」 高いところでコゲラの声がしている。
その先は、明るさをました立春の空だ。
(9 February 2010 長野県小諸市 御牧ヶ原)
【ふろしき】
和洋のどちらにも似合いそうである。家内の親の代からの馴染みの鮨屋さんから、どうぞといただいたもので、ふろしきで包んだクリネックス。
包む、包みこむ …… この言葉には、どこかやさしく、心ゆたかな響きがある。
伝統文化に根付いた風雅な試みとでも言いましょうか、 「ふろしきや やまとなでしこ東京 神楽坂」 と記した名刺が添えられていた。 娘さんの店(たな)という。
(12 February 2010 長野県佐久市にて)
【のこり鷺一羽】 アオサギ (Ardea cinerea)
孤高といふらん 厳寒の水辺に 青影うるはし
(10 February 2010 長野県佐久市 千曲川にて)
【森のほとりに】
板壁に残るペンキはライトブルー、ワインレッドの屋根。
遠い日の夢は想像に難くない ―― からまつの森のほとり。
(フォトスケッチ : 7 February 2010 長野県小諸市 御牧ヶ原)
【ムクドリとツグミ 】 Sturnus cineraceus & Turdus naumanni
窓の外の顔なじみ。 ツグミは一羽で、ムクドリは小さな群れでやってくる。
―― 立春の陽ざしは明るい。
(7 February 2010 長野県小諸市 自宅居間にて)
【雪の朝】
朝七時前、裏の道で快活な区長さんの声がして、小型の除雪機が通り過ぎて行
った。 積雪三寸 ―― 方々で雪かきの声、やがて小学生の元気な声。
(2 February 2010 長野県小諸市 自宅裏で)
【 鰯 】
裸電球に照らされし干し鰯
背おもての海の色かなし
(31 January 2010 東京都 デパ地下で)
● 自由律句など、「蒼山庵 ときどきフォト俳句」 こちらからどうぞ。
https://sozanan.cocolog-nifty.com/mount_/2007/04/post-677f.html
・右欄のダイジェスト
「ときどきフォト俳句」 からも入れます。
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