温泉町の小路で
温泉町の小路で
(フォトスケッチ : 24 January 2010 長野県上田市 別所温泉にて)
【 飛行機雲 】
夕陽を浴びて、飛行機雲がぐんぐん延びていく。 航跡雲とも呼ばれ、人間が作った人工の雲であるが、人工雲といっても上層の空気が低温で、ある程度高い湿度であるなど、自然条件が整ってのことという。 一度できた飛行機雲は、次第に大きく薄く帯状に揺らいでひろがっていくこともあれば、絹層雲に変化してひろがり、もはやそれが飛行機雲であったかどうか分からなくなったりもする。
雲に魅せられ虜になった方がおられたが、雲は人間が眼にする最も壮大でダイナミックなものの一つであるに違いない。
(19 January 2010 長野県小諸市 自宅上空)
【雪中の集落・歳月】
フォトファイルの中にあった一枚の写真 「雪中の集落・野倉」。 かつて、この野倉集落には西塩田小学校の冬期分教場がありました。 父親が、退職後請われてその分教場で教えていたのは昭和40年前後であったと思います。
「家からノゾキドウ(堂)の山道を歩いて一時間かけて通っている。 元気がいい一、二年生が相手だ 」 と云っておりました。 それから45年余り、車社会の到来そして時代が大きく変っていった中で、父親が通っていた、おそらくは一千年以上の歴史があったであろう山の道はかすかにそれと分かる痕跡のみとなり、国土地理院の地図からも消えています。
冬期分教場について、父親たちが編集した『塩田歴史年表(昭和46年発行)』には、短く次のような記述がありました。
・ 明治42年12月1日 野倉に尋常科一、二年の冬期分室を置く。
・ 昭和44年3月31日 明治四十二年に始まった野倉冬期分室が閉鎖される。
分教場跡は、今は野倉民俗資料館となっています。
(写真 : 29 Jan. 2005 長野県上田市 野倉集落 穴平)
●こちらのブログ記事もどうぞ → 野倉の夫婦道祖神
風の止んだ夕方 千曲川の空を上流にむかう鳥の一群があった
(January 2010 長野県佐久市 千曲河畔にて)
帰ろうと思う
帰ろうと思う
わたしがわたしになったところ
あのはじまりのあの場所へ
わずかばかりに大きくなった
一歩のながめを確かめながら
(29 January 2010 詩 ルカ)
【杣人(そまびと)】
上平集落からの山中に、こぎつね天文台長Takeruさんの姿があった。 椎茸の原木を伐りだしているのだという。 山は丁寧に手が入り、不要となった細枝は集められて明るくなった山の斜面に鱗状の模様をみせていた。
それは杣人の作法からくる木々への思いや山への礼儀と云ったふうにもみえた。
(26 January 2010 長野県小諸市 御牧ヶ原への道で)
【信州別所温泉・北向観音】
この温泉の近くで育ったから、月に何度かは入湯に出かけた。
「お別所へゆく」 母はそんなふうに言っていた。 お観音さまのある温泉(別所)へ
行く、の意味である。
湯の香ながれる参道、しあわせを願う人々 ―― 今も昔も変わらない北向観音
の風景である。
(フォトスケッチ : January 2010 長野県上田市 別所温泉・北向観音参道にて)
●関連記事 : こちらもどうぞ → 大師湯(別所温泉)
【ある日の動物たち】
ロバ小屋の方が、随分にぎやかである。覗いてみると、飼葉桶はひっくりかえって
いるわ、板は倒されているわ、狼藉の限りを尽くしてある。
しろやぎ ”かのん” のしわざである。
(23 January 2010 長野県小諸市 御牧ヶ原・読書の森にて)
●関連記事:こちらもご覧ください → 読書の森の動物たち
【村はづれの歌・立原道造】
咲いてゐるのは みやこくさ (中略)
右は越後へ行く北の道
左は木曽へ行く中仙道
私たちはきれいな雨あがりの夕方に ぼんやり空を眺めて佇んでゐた
立原道造のそんな詩を追いながら、あぁ~厳冬の追分原を眼にしていたならばと
思うのでした。
(January 2010 長野県北佐久郡 信濃追分界隈)
●関連記事:こちらもご覧下さい → 信濃追分
【男は情け、唄は亜紀】
濤声遙か、日本海の鮮魚を山国信州へ運ぶ深夜直行便だったのでしょう。
” 哀愁乃北國街道 ” とあります。
デコトラ、男の美学 ―― 男は情け、唄は亜紀 と、言ひしひとありけり。
(フォトスケッチ : 20 January 2010 長野県佐久市にて)
【ハクチョウ(Cygnus)】
青のあかるい水面に、羽を休めに立ち寄ったらしいハクチョウの姿がある。
明日は大寒、一年の内でもっとも寒い時期であるが、陽の光りのなかに春の微
かな明るさを覚えるのもこの頃である。
(19 January 2010 長野県佐久市 東京電力小諸発電所第一調整池)
【Altocumulus・高積雲】
夕方近く、女性が三人、道路脇に車を停めて少し興奮気味に空を仰いでいた。
浅間嶺の東北東にSFの宇宙船を想わせるような巨大な雲が浮いていた。
吊し雲と呼ばれるこの珍しい雲は高積雲の一種で、グルグル回転しながら発達
するが、なぜこのよう形になるのかはまだよくわかっていないという。
巨大な雲は残照に赤銅色にかがやきながら徐々に姿をかえ、やがて夕闇の中
にのみ込まれていった。
(17 January 2010 長野県小諸市)
【北アルプスが見える里】 北アルプス 穂高連峰・槍ヶ岳 夕景
前穂北尾根、北穂東稜、大キレット、槍ヶ岳北鎌尾根 ―― 峨々たる山塊。
その山容を静かに望む里があります。 東信州・天池の集落。
(16 January 2010 長野県小諸市 天池集落にて)
●関連記事 : こちらもご覧下さい → (槍ヶ岳)北鎌尾根
【浅間山麓】
古い写真のなかに、山に向かって、真っ直ぐな道。
その先は、いったいどうであったのか、思いだせないでいます。
(Photo.: 18 Mar.'01 長野県北佐久郡 軽井沢町 信濃追分にて)
【 雪 】
「踏み雪が鳴る……」 午後、農大森から雪道を下りてきた画家のY氏が、
そんな話をした。
「堅雪かしこ 凍み雪しんこ」 キックキックトントンキックキックトントントン
―― あの 『 雪渡り 』 の世界ですね。
(January 2010 長野県小諸市 御牧ヶ原)
紋付鳥 (ジョウビタキ♂)
いつも ご丁寧に挨拶をいただきまして 恐縮に存じます。
今朝も、律儀なジョウビタキが、紋付姿でやって来ました。
―― 「小正月ですね ……」
(15 January '09 長野県小諸市 蒼山庵)
古寺の雪 (信濃国 天台宗大法寺国宝三重塔)
古くは、東山道・浦野駅(うらののうまや)があったと伝えられる里。
雪降る里の南西、保福峠(1345m)にたつ万葉歌碑。
(信濃古歌/夫の旅の無事を願う妻の歌)
信濃路は今の墾道刈株に 足踏ましむな沓履け我が夫
(はりみちかりばね) (くつはけ) (せ)
万葉集(巻十四東歌)
寒晴れ Betula platyphylla var. japonica
(Photo.:Dec.'03 長野県佐久市 長野牧場)
【姿をみせたキジ (Phasianus versicolor)】
一冬を、わが家の周りで過ごすキジが、この冬はまだ姿をみせないでいた。 近くの枯野をキツネが走り抜けるのを何度か見たから、心配していたが、「 窓の下で餌をついばんでいましたよ 」 と家内。
昨年、隣りの林檎畑の防風木がすっかり伐られてしまったから、勝手が違ってしまったのだろう。 厳しい寒さが続いている。
(Photo, : 20 Feb. 2008 長野県小諸市 自宅にて)
●関連記事:こちらもご覧ください → 雉 (Phasianus versicolor)
【霧氷の朝】
こぼれた砂糖まみれになってしまったような白の光景。
標高1000m、気温-8℃、相対湿度69% ―― 浅間山麓、霧氷の朝。
(4 January 2010 長野県北佐久郡 御代田町)
朝まだきの街道筋に雪降る
(天気予報) 冬型の気圧配置で、寒気が流れ込む。 県内は、北部は山地を
中心に雪が断続的に降る。中部と南部は晴れ間があるが、西側の地域で時々
雪がちらつく見込み。 お正月らしい寒さが続く。
(3 January 2010 長野県小諸市 北国街道・本町通り)
【御神籤】 茶房「読書の森」にて
霊験あらたか どくしょ守大明神
私の運勢
超大吉 汝の人生はこれからバラ色であろう
めでたさ限り無し
(神様も超をつかうか大明神)
家内の運勢
願い事はすべて適う年になるであろう
まことに結構この上ない年になる
(その願い事 少しは遠慮をと大明神)
二禮二拍手一禮 先ずはよろしく頼みます大明神さま
(平成二十二年 正月 長野県小諸市 茶房 「読書の森」にて)
最近のコメント