カラマツの道
カラマツの道をゆく
(26 September 2009 長野県佐久市 長野牧場)
【稲田】
信州佐久平 ―― 稲田の畦に、いなごを追うシラサギの姿がありました。
豊穣の秋、小学校の運動会が終わると、まもなく取り入れが始まります。
(September 2009 長野県佐久市 跡部)
【恩師】
高校の同級会に、数学を三年間担任されたU先生が出席してくださった。 近況報告のなかで、皆に配って朗読してくださった一編の詩。
年流れけり この川を
ひとたび越えし その日より
入り日に映ゆる 岸の城
堰に乱るる 水の声 ……
(ルードウィッヒ・ウーランド 1787~1862 『渡し場』 より)
「 数学の授業のなかで、『 チボー家の人々 』 の講義を聴いたことがありましたが …… 」 と言うと、懐かしそうに笑われた。 三十二歳の頃という。
(27 September 2009 長野県小諸市 菱野温泉にて)
【クラシックスタイル】
旧い通りで目にしたクラシックスタイルバイクのフォルム YAMAHA Drag Star
(21 September 2009 長野県小諸市 旧北国街道の通りで)
【金木犀の香り】
上州初秋、車の通りや街の通り、どの通りでも金木犀の香りがしていた。 冬が
厳しい信州・小諸佐久地方ではほとんど見かけることのない花木である。
「金木犀の香りがしたら そろそろ衣更え……」 上州ではそんな諺があるという。
連休のミニコンサートがあった日本シャンソン館。 中庭でもほのかに香りがして
いた ―― 庭奥の樹木の中に黄金色に咲く花群れが見えた。
(22 September 2009 群馬県渋川市 日本シャンソン館にて)
あたたかい掌に金色の十字架をひとつのせ
たったひとつの向こうに冷たい空の薫りを想っていた
見えなくてもあるって
わかってるけど
わかってるけど
(23 September 2009 詩 ルカ)
【鷺(Egretta)】
みんな まっ白々ですから だれなのか まるで見当がつきません ――
ダイサギ (大鷺) Egretta alba さぎ科
チュウサギ (中鷺) Egretta intermeia 〃
コサギ (小鷺) Egretta garzetta 〃
ウォーキングの途中でよく出合う光景です。 人家の近くまでやってくる鷺 ……
千曲川が流れる街、周囲に広がる水田は格好の摂食地です。
(18 September 2009 長野県佐久市 跡部)
【丸葉藍(Polygonum tinctorium)】
庭先のやわらかき日差しに こわき(強き)花色 ――
「 藍染めの …… 蓼藍の一種 …… 」 と家内。
「 青は藍よりいでて 藍より青く 」 どんな意味だったかと、ふと思う。
(18 September 2009 長野県小諸市 自宅庭にて)
【吾亦紅(Sanguisorba officinalis)】
山道を上がっていった先の 「多津衛民藝館」
蓼科山の方からながれくる風に 庭の吾亦紅がゆれていた
(Sept. 2009 長野県佐久市 望月町 多津衛民藝館 ・ 田嶋健木版画展にて)
【西洋梨(Pyrus communis)】
「 めずらしいから もってきなぁ 」 村のはずれの農家でいただいた西洋梨。
木に成ったままでは熟さないそうで、青いまま収穫し保冷庫で完熟調整して出荷
しているという。 ”追熟” というのだそうだ。
少し早いから、濃黄色になって香りがでてきたら食べるように …… と云った。
―― 雨の朝、道普請の現地確認での出来事。
(12 September 2009 長野県小諸市)
【保渡田古墳群・八幡塚古墳】
前方後円墳は日本を起源とし中部地方から九州地方にかけて広く分布、朝鮮半島南部まで達しています。 前方後円墳 のふしぎな形状は一体何を意味しているのでしょう。
復元された墳丘を上がっていきますと、古代、毛野国と呼ばれた上州の山河が青々とひろがっておりました。
(6 September 2009 群馬県高崎市 かみつけの里(博物館)にて)
【保渡田古墳群・二子山古墳】
上毛野の国 ・ 榛名山東南麓の前方後円墳、墳丘全長は108mという。
秘められた古代ロマン ―― 。
後円部の丘陵から、母と子の歌声がくだってきた。
(6 September 2009 群馬県高崎市 かみつけの里(博物館)にて)
【くじゃく蝶 (Inachis io) ・ 開翅長 63mm】
その艶やかな姿は幻影かと想う ――
この蝶を知ったのは、上信国境の鳥居峠(1365m)、高校生の夏でした。
(3 September 2009 長野県南佐久郡 佐久穂町 八千穂高原にて)
●こちらの記事もご覧ください → クジャク蝶 (八千穂高原)
【案山子】
「 ことしも良い作柄でありますように …… 」
自然への感謝と願いがこもる案山子です。
(2 September 2009 長野県小諸市 天池の集落にて)
●こちらの記事もご覧ください → 佐久の空(天池集落)
山の集落で見かけた随分昔の脱穀機 ―― 足踏み機構は外れて無くなっていますが、丸いドラムはゴリゴリ回りました。
それにしても、なんとまぁ大仰な製造銘板なのでしょう。
右書きの大きな文字、あざやかな赤と青 ―― 当時の、機械製造者の心意気や、大金を叩いて最新鋭機を手にした農家の誇りと云ったようなものが伝わってきます。
メーカーを調べてみますと、愛知県海部郡大治町の 「(株)大竹製作所」 という会社にいきつきました。 農機具メーカーとして1911年(明治44年)に創業、現在に至るとあります。 日本の農業とともに一世紀あまり、尊敬すべき企業といえますね。
(August 2009 長野県小諸市 山の集落にて)
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