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2008年10月19日 (日)

はぜ

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【はぜ】
 はぜが並び始めました。 小中学生の頃、この時季に二週間ほどの農繁休業が
ありました。 
 当時、農作業のほとんどは人手に頼っていましたから、子供たちもまたその一員
として、それはもう懸命に手伝ったものでした。
 子供たちにとってはたいへんな作業でしたが、働くなかで、家族への思いやりや、
達成感といったものを、自然と学びとっていった。そんなふうに思えるのです。

       次兄(当時小学6年生) の 『 秋の農繁休業日記 』 より
                              昭和27年10月27日
 午前は、竹の裏の田の稲かりをやった。小さいが、とてもほそ長い田だ。三人で
かった。90坪なので、午前におわった。 
 午後は、はぜかけだ。田についてまるけようとすると、雨がふってきた。が、父は
これを全ぶかけてしまおうといった。
 雨は、ひどくなって、田がぬかるようになってきたが、みんな、早くおわりたい一心
で、一しょうけんめいだ。ぼくひとりで運んで、父がかけた。  母と兄は、まるけた。
 帽子が、びちゃびちゃだ。つゆが首に入って冷たい。 四時ごろ、やっと終った。 
やれやれと、ようやく、せいせいした。うれしかった。
 白さん畑のよこの、たけやぶのうるしが、紅色にそまって、とてもきれいだ。 かき
の木の葉が、下の方がなくなって、かきが無数になっている。
 もうじき、冬がくる。 大池の草原で、親子の牛が、もうもうと、ないていた。

                   (Photo.  平成20年10月 長野県小諸市 美里にて)

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