燭 台
「 ・ ・ ・ 」
(27 April 2008 Sozan-an)
【校 庭】
この先の峠を越えれば上州である。 山間に広がる集落を上がっていくと、小学校の分校跡という小さな広場にでた。 一辺が30mほどのその僅かな平地は、かつて子供たちを広い校庭で学ばせたいと願った集落の人たちが、傾斜地を削り苦労して開くことができた精一杯の広さであるに違いなかった。
閉校になって半世紀に近く、分校跡からは春の陽を浴びて、集落の屋根が一つ一つよく見えた。 遠くの方で鶯が鳴いていた。
(平成20年4月28日 長野県佐久市香坂 三井小学校香坂分校跡地にて)
【チゴイネルワイゼン】
ずっとむかし、欧州旅行の記念にと いただいたバイオリン。 全長160mmの
飾りもののバイオリンですが、その精巧な作りは見事というほかありません。
験しに弓をとってみますと、それはやや哀しげにかすかに音をたてるばかりであ
りましたが、そのはるか遠くで聞こえるジプシーの旋律に気がつくまでには、そう時
間はかかりませんでした。
(平成20年4月28日 長野県小諸市 自宅にて)
【御牧ヶ原】
郷土出版社発行 井出孫六著 『 新・千曲川のスケッチ 』
「御牧ヶ原の四郎大池」 の章より
池の畔にあったはずの叔父の自ら建てた家は跡形もなくなっている。 堰堤から
は、真正面に噴煙をあげる浅間山の全容が千曲川の峡谷をへだてて目に入る。
浅間の容姿は御牧ヶ原からを随一とするとぼくは思った。
―― 叔父四郎が五十八歳というさして長くない全生涯をこの台地の溜池掘り
に捧げたロマンの一端を、ぼくはこの雄大な風光のなかに発見して、しばし時のす
ぎるのを忘れて堰堤に立ち尽した。
●関連記事 : こちらもご覧ください → 開 拓 (御牧ヶ原)
(フォトスケッチ:平成20年4月27日 長野県小諸市 御牧ヶ原・茶房「読書の森」)
空は知ってる
何をがむしゃらにやっていたか
水はわかってる
誰がここに導いてくれたか
土は覚えてる
自分が何を支えてきたか
山は
山はじっと見ている
どう始まりどう続きどう終わるか
(27 April 2008 ルカ)
紅もまた 静まりかへる 鄙(ひな)の家
(1 May '07 長野県上田市・旧武石村にて)
● 自由律句など、「蒼山庵 ときどきフォト俳句」 こちらからどうぞ。
https://sozanan.cocolog-nifty.com/mount_/2007/04/post-677f.html
・右欄のダイジェスト
「ときどきフォト俳句」 からも入れます。
【旧中込学校】
瀟洒な洋風校舎をつつむように咲く桜花。 家内の母校、佐久市立中込小学校
・旧中込学校です。 詳細はこちら → ステンドグラス(旧中込学校)
(23 April '07 長野県佐久市 中込)
【小海線の春】
幼児を連れた家内を待って、こどもを抱き上げ 乗せてくれたという、車掌さん。
そんな思い出がうれしいJR小海線です。 沿線は桜の春をむかえていました。
(平成20年4月20日 長野県小諸市 JR小海線・三岡駅)
【旧い通りにて】
旧い通りに 壁の美しい家があって
Kohzu English School と書かれた看板がでていた
(13 April 2008 長野県東御市 北国街道・海野宿にて)
【チューリップ (Tulipa gesneriana)】
19世紀のデュマの小説 『 黒いチューリップ 』 … 黒い花に懸けられた巨額の懸賞金、 渦まく陰謀、 戦争と恋。 宝塚歌劇にもなったというスペクタクルである。
バイオ技術が急速に進み、めずらしい品種の花々が次々に開発されていると云われているが、コルネリウスが追い求めた、神秘の色・黒いチューリップは、いまだできないという。
窓下のチューリップが今年も咲き始めた。 こちらは昔ながらの見慣れた品種である。
(13 April 2008 長野県小諸市 自宅にて)
【牧場小屋で】
この、外国映画で見たことのあるような農機具は、いったい何という名前なので
しょう。
(April 2008)
ツマサキダチダヨ
ソオットソオット
オコサナイヨウニネ
イマノウチニサ
スッカリカタヅケルンダ
ダッテアノヒトノ
ビックリエガオガダイスキナンダ
(17 April 2008 ルカ)
【ウオーキングの途中で】
小麦の丘の クロの家の紅梅が 今年もみごとな花をつけている
御牧ヶ原の春 麓の街からは桜のたより
(平成20年4月12日 長野県小諸市 御牧ヶ原・農大への道で)
【れんぎょう (Forsythia suspensa)】
街道は、桜にはまだはやく、れんぎょうの花の盛りだった。
(平成20年4月13日 長野県東御市 北国街道・海野宿にて)
【教会のある風景】 画像クリック(拡大)
冬銀色の空に聳える教会の尖塔
祈りの鐘を合図にしたかのように
観光客は帰り 店は早々と閉じる
教会に向かう古い通り
人々の営為を照らすかのように
夕闇に漏れる燈火の明かり
(フォトスケッチ : December 2007 ハンガリー センテンドレにて)
●こちらのブログ記事もご覧ください → 蒼山庵ブログ展(作品集)
●こちらもご覧ください → 教会のある風景(Budapest)
【わさび (Wasabia japonica)】
ラテン語で Wasabia japonica というとおり、日本原産のわさび。
わさび田に 白い小さな花咲けば、安曇野は春。
(6 April 2008 長野県安曇野市 穂高にて)
【禁葷酒】
そこは禅宗の寺院らしく 山門の前に 禁葷酒 の銘があって
青苔の石径が奥の方へとつづいていた
(平成二十年四月 長野県佐久市 禅寺にて)
一歩ずつでよい
無我の一歩ずつは
苔と土と石を結び
一滴の音を響かせる
先人の一歩と
わたくしの一歩が
重なるとき
(10 April 2008 ルカ)
【続 安曇野の春・万水川(よろずいがわ)】
アルプス山麓の豊かな湧水をあつめる万水川 川面に満つ 早春の光り
(平成20年4月6日 長野県安曇野市 穂高にて)
水鏡には想いまで映し出され
見つめるのがこわい
水は一瞬に
次へ次へと姿を変え
わたしはいつまで
この想いを抱えたまま
(9 April 2008 ルカ)
【はるがきた】
はるがきて おかのあまくさ めをだした
とおくのやまは まだゆきだが
ろばのジグは うれしくなった 春がきた
(平成20年4月5日 長野県小諸市 御牧ヶ原・読書の森で)
●関連記事 : こちらもご覧ください → ロバのいる風景・草原
【生島足島(いくしまたるしま)神社】
信濃国・塩田平。 延喜式に記されているという由緒ある神社、生島足島神社。
ご神体はこの国の大地そのものといわれ、人と大地に生命力を与え、人々の願いに満足をもたらすという。 境内の様式は 池心宮園地 と呼ばれる最も古いといわれる様式の一つで、大きな神池があって、池の中島に朱色あざやかに本殿が建てられている。 (参考文献 : 内式大社 生島足島神社ホームページ)
春の日、境内には家族の幸せと健康、子孫繁栄、学業の成就、恋の成就などを願う、たくさんの人の姿がありました。
(平成20年4月6日 長野県上田市 塩田平にて)
【古いカメラ】
引出しの奥から出てきた昭和41年(1966)製のカメラ。 当時の夢や憬れといっ
たものを写し続けたカメラです。 大半は山岳写真でありましたけれど … 。
OLYMPUS-PEN FV : オリンパス光学製、ハーフサイズ・一眼レフカメラ。稀少
なカメラと云われています。
(平成20年4月3日)
早春のからまつの道を行く
(26 Mar. 2008 長野県佐久市 長野牧場にて)
道標はない
選択に間違いはなかったか
間違いはなかったか
もはや動き出し
もはや後戻りはできず
ただ前を向いて行く
灯された一点を見つめて
(2 April 2008 ルカ)
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