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2008年1月26日 (土)

銀河鉄道の夜

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 【銀河鉄道の夜】                 

 すると、どこかで、ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと云ふ声がしたと思ふと、かくして置いた金剛石を、誰かがいきなりひっくりかへして、ばら撒いたといふ風に、眼の前がさあっと明るくなって、ジョパンニは、思はず何べんも眼を擦ってしまひました。
 気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョパンニの乗ってゐる小さな列車が走りつづけてゐたのでした。 ほんたうにジョパンニは、夜の軽便鉄道の小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座ってゐたのです。

                       宮沢賢治著 『銀河鉄道の夜』より

 (Photo. : 26 January 2008  長野県小諸市 蒼山庵)

●こちらの記事もご覧下さい → ・・・ 雪やむ (宮沢賢治『雪わたり』)

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コメント

銀河鉄道の夜・・・生徒さんが「わからない。意味わからない。訳がわからない。」とい言っていました。
確かにちょっと変わっていて、何が言いたいのか?わかりづらい話ですよね。

ところで・・これはなんなのでしょう?
ごめんなさい・・・

投稿: みや | 2008年1月26日 (土) 22:45

銀河と星、或いは舞う落ち葉、果ては雪の結晶かな?。

蒼山庵さんの本当の狙いは、わかりませんが、これが「何であるか?」では無くて「何に見えますか?」と蒼山庵さんは問うているのではないかと思ったりもしているのですが・・・。

投稿: 西岡 | 2008年1月27日 (日) 09:25

西岡さん、そうですね・・・
>これが「何であるか?」では無くて「何に見えますか?」

蒼山庵さん、私は・・・
金色と銀色の折り紙で作った小さい鶴がいっぱい舞っているように見えます。素敵☆

投稿: みや | 2008年1月27日 (日) 11:04

みや様
宮沢賢治の、宗教観からくる心象スケッチのような物語ですから、生徒さんにはとまどいがあるかも知れませんね。 私もよくは分かりません。 この時季、天の川銀河は南東から北西の方向にかかっています。 冬の夜の天空高く、金銀の鶴の群舞にも似た銀河の煌めきが見えるかも知れません。

投稿: 蒼山庵 | 2008年1月27日 (日) 18:43

西岡様
極低温のミクロ空間での事象ですが、大宇宙の光りのようでもあります。そのさまに『 銀河鉄道の夜 第6章 』 を想いだしたような次第です。
冬 … 信州の澄み渡った空の星々は、それはそれは見事です。

投稿: 蒼山庵 | 2008年1月27日 (日) 19:13

こんにちは。
初めてコメントさせていただきます。
いつも素敵な写真の更新を楽しみに拝見しておりました。
さて、今回のこの写真と「銀河鉄道の夜」に思わず反応してしまいました。
この写真とタイトルを見て、私の頭にまず浮かんだのは、「鳥を捕る人」と「サギ」でした。
人によって見え方が違うのが面白いですね。
これからも信州の季節の便りを撮り続けてください。楽しみにしています。

投稿: めなつ | 2008年1月30日 (水) 13:58

めなつ様
はじめまして! ブログをご覧いただきましてありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 ◆そうですね、確かに「鳥を捕る人」を彷彿とさせますね。 永遠に、途中下車と途中乗車を繰り返すであろう「鳥を捕る人」。 考えさせられる場面ですね。

投稿: 蒼山庵 | 2008年1月30日 (水) 21:40

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