風の又三郎 (終章)
【風の又三郎 (終章)】
「そうだないな やっぱりあいづは風の又三郎だったな」 嘉助が高く叫びました。
宿直室のほうで何かごとごと鳴る音がしました。 先生は赤いうちわをもって急い
でそっちへ行きました。
二人はしばらくだまったまま、相手がほんとうにどう思っているか探るように顔を
見合わせたまま立ちました。
風はまだやまず、 窓ガラスは雨つぶのために曇りながら、 またがたがた鳴りま
した。
宮沢賢治著 『 風の又三郎 』 より (写真 長野県小諸市 御牧ヶ原)
●こちらの記事もご覧ください → 宮沢賢治著 『茨海小学校』
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