飼い主を替えた犬
【飼い主を替えた犬】
A夫妻宅のウッドデッキに、その犬を見るようになったのは三ケ月ほど前のことである。 以前は、確か200mほど離れた家で飼われていた犬である。
どんな事情があったかは知らないが、どうやら犬の方で勝手に飼い主を替えてしまったようなのである。 知らず知らずのうちに飼い主になっていたA夫妻はといえば、 「 すこし愁いを帯びた風貌がなんとも言えない…… 」 などと、まんざらでもない様子である。 時々は実家の方へ帰るようだとも言っている。
もっとも、1Km四方に5軒ほどの人家しかないこの界隈で、悠々と暮らす人たち、そして犬たちであるから、どちらにいようとも、人も犬も さして気にしないといった風でもある。
(平成18年10月1日 長野県小諸市 御牧ヶ原 読書の森界隈)
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