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2005年11月23日 (水)

信州人気質

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【信州人気質】

 生け花に使うヤシャブシの小枝を採りにいくという家内と、蓼科の尾根へ行った。 北西に蒼い山なみが幾重にも重なり、遠くに雪の北アルプス(爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳)が輝いていた。 日本の屋根と呼ばれる 「山国信州」 を象徴するような風景である。 この国の気風について 『近世信濃文化史(土屋弼太郎著・信濃教育会出版部 1962年)』 は次のように要約している。
   ・ 理知に長じ感激性に富む 同時に批評に厳しく雅量を欠く
   ・ 質実剛健 進取の気性に富む しかし社交性を欠く
   ・ 自主独立の精神強し しかし協調性を欠く
 県境に連なる山脈、山々で分断されたわずかな平地と谷あいに生きる人々、美しくも厳しい自然、そんな風土で代々暮らしてきたのだからそれは当然の帰結のように思えてくる。 試しに親しい先輩同輩諸氏の言動を照らしてみると 「合点すること少なからず」 である。 論客は数知れず、極めて真面目で清濁あわせ呑むなどということはおよそ不得手な敬愛すべき人々が多い。内なるものの高みにむかい理想をもとめて止まない姿がみえてくる ―― 信州人気質、それは “この蒼き山々” が育んだ気風ともいえる。

 (平成14年11月23日 長野県佐久市 蓼科への道で)

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