狼 森
【狼 森】
おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。
かねた一郎さま 九月十九日
あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。
あした、めんどなさいばんしますから、おいでん
なさい。 とびどぐもたないでくなさい。 山ねこ 拝
こんなのです。字はまるでへたで、墨もがさがさして指につくくらいでした。 けれども一郎はうれしくてうれしくてたまりませんでした。
(宮沢賢治著 『どんぐりと山猫』 より)
小学生の頃、自分にもこんなはがきがこないかものかと思ったものでした。 御牧ヶ原・狼森…… 賢治の童話にでてきそうな秘密めいた草原がひろがっています。
(12 December 2004 長野県小諸市 御牧ヶ原・狼森)
●こちらの記事もご覧ください → 宮沢賢治著 『銀河鉄道の夜』 より
| 固定リンク
コメント
素晴らしい光景で感動しました。御牧が原・狼森はどこでしょうか。1本の木と朝日、また雲が幻想の世界をかもし出している。いつも楽しみに拝見させて貰っています。
投稿: tokko | 2005年11月21日 (月) 22:00