シャンソン
【シャンソン】
シャンソンを聴き始めたのはいくつ頃だったのか、はっきりとは覚えていない。 「 あなたがシャンソンを聴くようになったのは、結婚してから……」 と家内。 「 二十の頃には聴いていた……」 と言葉を返すものの、まるで信用がない。
そういえば、当時のレコード盤が何処かにあった筈と探してみたのだが、出てきたのは何故か家内のものばかりであった。
七月、日本シャンソン館で 「パリ祭コンサート」 があった。
館長の芦野先生ご夫妻はますますお元気であるし、若いスタッフの皆さんもいつものように爽やかだ。 中庭のカフェテラスで渡辺美和子さんが演奏していた。 パリの地下鉄駅で聴いたシャンソンに魅せられて、この道に入ったというアコーディオン奏者である。 おさえのよく効いた調べが語るかのようにながれている。
思えば、こうしてコンサートの場にいるのも、どうやら家内のおかげのようである。 仕事にかまけているうちに、知らず知らずに多くの面で彼女のペースに上手にのせられてきた―― そんな感がないでもない。
結婚三十年、人生の哀歓をうたうシャンソンとの付き合いは四十年近くになる。
(13 July 2002 群馬県渋川市 日本シャンソン館にて)
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