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2013年9月11日 (水)

書架(2)

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【やまねこ/読書の森】                      画像クリック(拡大)

 おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。

   かねた一郎さま 九月十九日
   あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。
   あした、めんどなさいばんしますから、おいで
   んなさい。 とびどぐもたないでくなさい。  山ねこ 拝

 こんなのです。字はまるでへたで、墨もがさがさして指につくくらいでした。 けれども一郎はうれしくてうれしくてたまりませんでした。 はがきをそっと学校のかばんにしまって、うちじゅうとんだりはねたりしました。
 ね床にもぐってからも、やまねこの ”にゃあ” とした顔や、そのめんどうだという裁判のけしきなどを考えて、おそくまでねむりませんでした。
                                      (宮沢賢治著 『 どんぐりと山猫 』 より)

  (Photo : 9 September 2013 長野県小諸市 御牧ヶ原 「茶房 読書の森」にて)

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